裏紙に書くようなこと

文章を書く練習

鬼滅の刃 無限列車編 を見た話

映画「鬼滅の刃 無限列車編」を見た。コミック全巻とAmazon primeで配信されているアニメ版全編も見てしまった。それらのレビューは沢山あるだろうから、個人的な感想を記録しておこうと思う。

鬼滅の刃に限らず、アニメや映画、あるいはドラマや小説を見る時に、どの人物の視点で見るかによって、その作品の印象が変わってくる。僕がそれに気づいたのは、大学の時に先輩たちとクレヨンしんちゃんの映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」をDVDで見たときだ。しんちゃんの子供の視点で見るか、ひろしの大人の視点で見るか、という2つの視点に、その時気づいたのだ。もう10年近く前ことだから忘れていることも多いが、子供の視点とは自分の目的に集中して、実現のために一生懸命に向かっていく姿勢であり、大人の視点とは他者を守ったり助けたりすることが第一になる、少し視野の広がった姿勢になっていると思う。それを見た自分は、自己実現が第一になっているか、他者のために自己犠牲ができているかで、感情移入しやすいキャラクターが変わってくる。当然、映画の印象も変わってくる。

鬼滅の刃ではどうだろうか。鬼滅の刃では、どのキャラクターの視点にも感情移入できるような気がする。炭治郎のように家族を大切に思う気持ちは少なからず誰もが持っているだろうし、善逸のように本当は恐怖からは逃げ出したい。伊之助は中学2年生の頃の自分の姿だ。登場するキャラクターの個性は、僕たちが必ず持っている一断面をデフォルメした姿なのではないだろうかと思ってしまう。それは登場する人間だけでなく、鬼の個性でさえ、僕たちの一断面のように思えてくる。そういう、誰を見ても自分と重ね合わせられることに魅力を感じ、僕は鬼滅の刃を見ている気がする。

ちなみにその前に映画館で映画を見たのは「君の名は。」だ。この時にはどの人物にも感情移入しなかった。ただ、こんなに綺麗な絵を描いた新海監督と、音楽を作ったRADWIMPSがただただ羨ましかったのを覚えている。感動する物を作ることができる才能と努力に嫉妬した。映画の楽しみ方なんてその時々で変わるから、それが面白い。