裏紙に書くようなこと

文章を書く練習

育児ってこんなに笑えるんや! を読んだ話

育児漫画を読んだ。これは育児本というわけではなく、筆者の子供の成長記録のような漫画だ。子供の成長の面白い部分に注目して、育児の面白い部分を漫画にしたそうである。

これが本当に面白くて、家で読んでいたら声を上げて笑っていただろう。実際はマスクをして電車の中で読んだのだが、笑っているのは周囲にバレているだろう。ちょうど自分の子供の成長速度とも近くて、今までとこれからの姿をイメージできた点も良かった。

ファンクの歴史(上): ファンク誕生編 を読んだ話

僕はこれまで、吹奏楽やコンポジャズ 、ビッグバンドなどでサックスを吹いてきている。その中でファンクを演奏する機会も多い。ファンクと言えばタイトなリズムとかっこいいメロディーの曲のイメージを持っていて、代表的なミュージシャンと言えばジェームズ・ブラウンメイシオ・パーカーを思い浮かべる。その程度の知識の僕だが、この本を読んでファンクの歴史や流れを追うことができた。

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まずは上巻を読了。ファンクの歴史というタイトルだが、その内容のほとんどはジェームズ・ブラウンの歴史だ。ファンクは1940年代のブラックミュージックであるジャズやロックンロールの流れの中から発生し、グルーブを追求した結果リズムが進化していき、16ビートが誕生する。その進化はジェームズ・ブラウンのバンドにより成し遂げられていく様子が書かれている。黒人のアイデンティティとも言える跳ねたリズムと、そこから脱却するイーブンのリズムを行ったり来たりするような進化の過程が、とてもわかりやすく書かれている。また、ジェームズ・ブラウンが全パートに打楽器のような強烈なリズムを求めたため、メイシオ・パーカーらホーンセクションのソリストも、メロディックでなくリズミックなソロを取るようになったということで、ファンク特有のタイトなホーンセクションの成り立ちもよくわかった。

また、本の中で「JBファンク進行」と呼ばれている、ひたすら同じコードを繰り返すコード進行も、ジェームズ・ブラウンの発明だそうである。同じビート、同じコードをひたすら繰り返してグルーブさせていく曲は聴くのも演奏するのも楽しい。僕の場合は途中でバテてしまったり、フレーズがネタ切れして、全く上がらない演奏になるなんてこともよくあるのだが。

ファンクの背景にはブラックミュージックがあり、さらに時代背景としてキング牧師が暗殺され、ジェームズ・ブラウンの曲が公民権運動で歌われたりと、ジェームズ・ブラウンやファンクが黒人の象徴のような位置づけになるそうである。そしてその流れは、今年大きな運動となったBlack Lives Matterに繋がっていく。ファンクが生み出したリズムや音楽は白人層など世界的に広がっていくが、やはり根底にはブラックミュージックが脈々と流れているのだろう。

Black Lives Matterについて、僕は黒人も白人も、誰もが安心して暮らせる世の中になってほしいし、黒人差別は絶対にしてはいけないと思っている。ただ、声を大にして言及するつもりはない。なぜなら、僕の大好きなブラックミュージックも含めて、そこには深い歴史があり、それを理解していない僕が易々と「黒人の命も大切だ」などと言えないからだ。肌の色だけではない、住む場所も文化も違うはずだった人間が、突然使う者使われる者の立場になり、その後長い間格差が残り、さらには命を奪われても、方や重罪、方や無罪なんてことが今でも起こっている。平和ボケしている僕が、そこを軽々しく口に出すことはできない。ただ、声を大にするつもりはないが、少なくとも自分の子供には、僕の思いを伝えたいとと思っている。

上巻だけでも様々な発見があり、たくさんのことを考えさせてくれる本であったけれど、その本質はファンクの誕生から進化の過程を学び、ファンクという音楽を理解させてくれたことだと思う。文だけでどのような音楽か想像できるほどの文章も素晴らしい。宇宙人という立場で書かれている設定が少しウザいが、それもまた良しだと思う。

副業Webライターの超初心者が月5万円を稼ぐためのWebライティング講座 を読んだ話

せっかくだから文章の書き方を勉強して、ついでに副業に繋がったら儲け物だなと思い、ライティングの本を読んだ。本当はもう1冊、途中まで読んだのだが、自分には合わないと思ってこちらの本を読了。

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Webライティングは文章力がなくても、型に従った文章さえ書ければ稼げるようになる、と言うモチベーションのもと、5つの型(正確には4つの型と1つの文章だろうか)について解説されている。Webライティングではクライアントの要求を満たす文章を書くことが必要であり、逆に言うとそれを満たす型さえ身につけば稼げるようになると言うことと理解した。そのためには分野を絞ることと、とにかく書くことが重要とのこと。

先に読んだ、自分には合わないと思った本も似たようなことが書かれていて、特にSEO記事をたくさん書くことに特化した内容だった。SEO記事という言葉に慣れてない僕には、少し読みにくかった。一方こちらの本はもう少し一般的な切り口ながら、具体的な方法が書かれていて理解はしやすかった。

では、今ここで書いている感想文が、この本で解説されていた型に従っているかというと全く従っていない。なぜなら、僕はWebライティングで推奨されている文章を書くのも読むのも好きではないからだ。Webライティングで書かれている文章の目的は、「誰かの困りごとを解決する方法を示す文章」ということなのだろう。だが、解決のための道具の斡旋のように見えてしまう。もっと言うと、回し者もように見えてしまっている。それは悪いことではないのだけど、どうしても胡散臭く感じてしまうのだ。読むのはまだ良い。そこに解決策があるから。ただ、自分が書きたいという気持ちにはならない。僕はこのブログでだらだらと好きに書くのが良いような気がする。お金になれば儲け物などと考えず、ここで好きに書いていこう。そんなことを考えさせられた本だった。

スティーブ・ジョブズ名語録 人生に革命を起こす96の言葉 を読んだ話

スティーブ・ジョブズの言葉と、その言葉にまつわるエピソードが書かれた本。社員やメディアに対して発せられた言葉が多く収録されているのだろうけど、仕事にまつわる言葉が多かった。また、ジョブズの本をあまり読んだことのない僕でも知っている、有名なエピソードが多かったように思う。ジョブズの仕事に対する情熱やこだわりがよくわかった。

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ここで気になるのは、彼が家族にどのような言葉をかけてきたのか、と言う点だ。仕事の時と同じような情熱やこだわりがあったのだろうか、それとも全く正反対なのだろうか。どれくらい家族との時間をとっていたのだろうか、それはどのような時間だったのだろうか。

この本を読むと、ジョブズがいかに仕事人間であり、自分にも周囲にもそれを要求してきたことがわかる。だからそれ以外の時間のジョブズの言葉が気になってきてしまう。

ブリーズバンドが新しい楽しみ方になるような気がしてならない話

土曜の朝に放送している題名のない音楽会で、7人制の吹奏楽、ブリーズバンドというものをやっていた。

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吹奏楽と言えば数10人から多いときは100人以上で演奏し、ある程度の人数がいた方が良い演奏ができるバンドの形態だと思っている。僕は中学時代に30人に満たない人数の吹奏楽部に所属していたので、余計に大編成が羨ましい。高校時代の吹奏楽部では反対に、常時50人を超える人数で演奏していて、やはりこれくらいの人数がいた方が吹奏楽は面白い。

ところがこのブリーズバンドは7人しかいない。しかも管楽器と打楽器合わせて7人なので、全員がほとんどソロで演奏するようなアレンジになっている。このアレンジがとても秀逸で、決して重厚感や迫力を求めていない、もっと言うと、吹奏楽を求めていないように感じた。名前の通り、そよ風のような軽やかさのある演奏だ。演奏者の技量も素晴らしいし、それが露骨にわかるアレンジだ。

このブリーズバンドは、特に今、少子化働き方改革で部活動が縮小しているバンドに最適なのではないかと思った。7人集まれば曲が成立するし、足りない楽器があれば他の楽器で代用もできるだろう*1。1人で多重録音しても成立しそうだし、パートをシャッフルする遊びもできるだろう。いろいろなことを試して楽しむことができる可能性が見えるのだ。そして一通り試した時に、個々人の技量の重要性が見えてくるような気がする。

テレビの演奏を見た感想だが、とにかく個人の演奏力がそのまま曲の完成度になっていると思う。個人の技量がなければ曲が成立しないから、練習をする。曲中の役割も明確なので、課題も見えやすいのではないかと思うし、何よりソロの練習は楽しいと思う。ブリーズバンドが、吹奏楽や音楽の新しい楽しみ方になるような気がしてならない。

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*1:著作権でできないかもしれない。そこは調べていない

失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方 を読んだ話

kindle unlimited 6冊目。育児本を読むと必ずと言って良いほど出てくる言葉が、「自己肯定感」だと思う。この本は子供に自己肯定感を持たせるにはどうすれば良いか、母親と父親のそれぞれの役割を明確にして書かれていた。特に自己肯定感の鍵を握るのは母親との心地よい肌の触れ合いだそうで、父親と触れ合っても母親ほどの効果はないらしい。その分父親は、一緒にスポーツをしたりアウトドアに出かけたりして、社会のルールを身につけさせる役割が適任とのこと。子供の習い事にしても、子供に向いていそうなことを親が考え、継続させることが大切だと書かれている。色々やらせて失敗経験を積むと自己肯定感が落ちるので、続けさせて成功体験を積み上げることが大切だと読み取れた。

しかし、これは親にとっては失敗できないプレッシャーであって、なかなか実現できないような気がしてしまう。結局、親も子供をよく観察して、日々一緒に学び成長していくのが良いのではないかと思う。理想的にはこの本のように子供を上手に導ける親でありたいが、そこはできる範囲のなかで、子供と一緒に成功体験を積み重ねれば良いのではないかと思う。

半導体・電子部品の基礎からわかりやすく丁寧に: 半導体・電子部品の概要、原理、構造・信頼性、プロセス・工程 を読んだ話

kindle unlimited 5冊目。
半導体を、電子部品として見た場合と素子として見た場合の二つの視点から説明がなされている。その後、信頼性試験の概要が説明されて、最後に半導体プロセスの前工程から実装までの製造フローの説明がなされていた。随分と広い範囲を扱っているが、どれも業務の延長のような内容でとてもイメージしやすい。

個人的には信頼性試験やバスタブカーブの見方の説明がとてもわかりやすかった。また実装プロセスも含めたフロー全体について、平易に説明された本はなかなか見たことがなかったので、とても参考になった。