裏紙に書くようなこと

文章を書く練習

働くモチベーションの話

 今から9年前の2011年に、僕は新卒の就職活動をしていた。その時は関東の企業に加えて地元企業でも就職活動をしていたんだけど、その地元企業の人事の人に言われた言葉はいまだに僕の中に残っている。「仕事をするモチベーションは何か。技術とか給料とかだと苦しい時に続かない。でも地元のため、と思うと続けることができる。」本当かな、といまだに思うけど、9年も経った今でも覚えているということは、間違いではないかもしれない。
 そもそも僕が半導体関連の仕事を選んだのは、人の暮らしに直接役に立つもの作りをしたいからだ。役に立つものは世の中に溢れているけど、半導体はパソコンやケータイだけでなく、家電や自動車にとっても無くてはならないものだし、今や生活に浸透しているAI、IoT、仮想マネーにとっても重要なものになっている。僕にとっては、人の役に立つものの中でも群を抜いて役に立つもの、衣食住に匹敵するくらい役に立つもの、という認識なのである。その半導体のための技術開発をすれば、自動的に人の役に立つ仕事ができる、そう考えて半導体関連の仕事を選んだ。
 話は戻って地元企業の話である。地元企業で働けば地元のためになるのだろうか?それは、企業の納税と雇用創出の面で地元のためになるので、あながち間違っていない。さらに会社規模でイベントごとを開催したり、ボランティア活動すると、それなりの規模なのでかなりの地域貢献になると思う。魅力的な企業にはUターン、Iターンで転入してくる人の受け皿にもなるだろう。あの人事の人はそこまで説明してくれなかったけれど、多分そういう活動は都会の企業よりもしやすいのではないかと勝手に思っている。
 そして僕は、そういう自動的に地域貢献できる仕事に魅力を感じているのも事実だ。顔の見える範囲で、多くの人の役に立つのは気持ちが良い。そういうモチベーションで働けるのは幸せなんじゃないかと思うようになってきた。ただ問題は僕のスキルに合った仕事があるか、十分な年収がもらえるか、などなど。結局、技術や給料だってめちゃくちゃ大切なのだ、という考えに至り、そんな都合の良い仕事ってないなぁと日々過ごしている。