裏紙に書くようなこと

文章を書く練習

上から見るか下から見るかで見え方が全然違った話

 この間、会社の組織改編が発表された。目的は「分担を明確化すること」らしい。僕の所属する会社は分担を曖昧にするのが好きだ。好きかどうか知らないが、好きか嫌いかと言われたら絶対に好きだろと言いたくなるような組織作りをしている。僕は常々それに違和感を感じていて、部長との面談でも改善してほしい旨を伝えた。ついでに、ちょっと前に見た理想的な組織図が書いてある資料も送った。そんな願いが叶ったのか、たまたまこのタイミングだったか、とにかく分担を明確化するらしい。
 さて、蓋を開けてみた組織はどうだろうか。確かに上から見たときは、綺麗に仕事が分担されている。組織名から分担されているのがよくわかる。人の配置も適材適所、よくできている。では下から見たらどうだろうか。実は何も変わっていないのだ。実務レベルの仕事が曖昧なので、やっぱり役割分担ができていないのだ。
 や、確かに実務レベルでも分担を明確にしようとしているところもある。でも、本当に末端の実務の分担が曖昧なので、上から見た時と下から見た時の組織図の印象が全然違うのだ。お見事。この原因は、決して「皆が気を利かせて、それぞれの分担の間を埋めるような仕事もやる」美学から抜け出せないのでは無い。ただ単に、責任の所在を明確にしたくないだけだ。自分が怒られないための精一杯の自己防衛なのだろう。
 次の面談では、「見事な組織図です」と嫌味の1つでも言えば良いのだろうか。