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文章を書く練習

『1日3分で劇的に変わる!』魔法の金管奏法レッスン(実践動画付き): フォーカル・ジストニアの克服を経て辿り着いた究極のコンディショニング・メソッド を読んだ話

去年のブラックフライデーにプラスチックトランペットを買って以来、コツコツと練習している。だが音を出すのが難しいので、とりあえず何か本でも、と思って読んだ。

筆者は国立音楽大学を修了されたユーフォニアム奏者である。大学在学中に、フォーカル・ジストニアを発症するも克服し、その経験を元にして金管楽器をより自由に吹くメソッドまとめ、教育活動をしているそうである。フォーカル・ジストニアはこの本で初めて知ったが、演奏する時に思うように体がコントロールできなくなる、音楽家特有の病気だそうである。筆者の場合は、アンブシュアを形成できなくなる症状が出たそうである。アンブシュアとは楽器を吹くときの口や唇の形を指し、野球で言うとピッチングフォームみたいなものだと僕は理解している。アンブシュアが形成できないと、ほとんど音を出すことはできない。一方で、良いアンブシュアを形成できると劇的に良い音が出せるようになる。それほどアンブシュアは、楽器を吹く上で重要だと思っているし、良い音作りと良いアンブシュア作りはほとんど同義だと僕は考えている。

ところがこの本で筆者は、アンブシュアは、呼吸、発声、口の中の形を整えた結果である、指摘していて、準備の重要性、具体的な方法が述べられている。特に呼吸法では、よく言われている腹式呼吸ではなく、横隔膜を下げ、さらに肋骨を開き、最終的には肩も上がるような呼吸について言及している。これについては僕も大賛成である。お腹を膨らませるような呼吸の腹式呼吸では、どうしても息が足りない時がある。むしろ腹式呼吸をし、さらに上を向いて肩を上げるて胸式呼吸をする方が、たくさんの息を吸うことができる。腹式呼吸と胸式呼吸のミックスのような呼吸だ。この方法について詳しく述べられている。管楽器奏者であれば、金管木管問わず、この呼吸が絶対良いと僕は思っている。

他にもバズィングや発声(歌)などについても言及されている。ブログかレッスンサイトをまとめ直して書籍にしたのかもしれないが、ウェブサイトを繋げただけのような編集になっていて、同じようなことが書かれているページがあるのが少し残念だ。