裏紙に書くようなこと

文章を書く練習

親になったの私だけ!? を読んだ話

作者の1人のゆむいさんは「ふよぬけ」こと夫の扶養からぬけだしたい*1で知った方で、この本も気になっていたので読んだ。

主人公はソーシャルワーカーの女性で、保育士でその旦那さんと、育児と仕事について衝突しながらも2人の理想の形に近づいていこうとする内容だ。1人目の子供の時には、産休、育休中も、仕事復帰してからも、ほとんどの家事育児を母親が務め、父親の主体性のない育児の姿勢に不満を重ねる。そこから話し合いを重ねて、2人目の育児をするころには分担が進み、最終的には母親が残業をし、父親が夕食から寝かしつけまでをこなせるまでになっていた。父親が育児に疲れ果てる姿を見せる育児漫画を、この本以外に僕は見たことがない。

この本からは、父親の育児への姿勢はどうしても「お手伝い」のようになりがちで、もっと主体性を持つべきだ、ということが読み取れる。主人公が最後に回想する時の「仕事を忙しくやっていると自分が何かやっている感が満たされ」という言葉にあるように、父親は仕事を一生懸命やっている分、家事育児は母親が主導してほしい、というのが大半の考え方のように思う。仕事を一生懸命するのは育児において大切なことだと僕は思う。お金がないと安心して育児ができないし、病気になったり保育園に預けたり、すぐにサイズが変わる服や靴を買ったりと、育児にはお金を使うことがとても多い。どうしても稼ぎ手が必要だ。

重要なのは、仕事に集中できるのは誰かが家事育児を請け負っているからということに気づくことだ。役割を夫婦で分担できていれば良いけど、共働きの多い今の社会でそこを分担するのは難しい。また、育児だけ、仕事だけ、というのも息が詰まって大変だ。だからこそ、今の自分が仕事に集中しているのは、誰かが家事育児を請け負ってくれているからだと気づきたい。それは逆も同じで、家事育児をしているのは仕事を請け負ってくれる人がいるからだ。そういう、生かされて生きているということに気づけることが重要なような気がする。

*1: