裏紙に書くようなこと

文章を書く練習

チーズはどこへ消えた? を読んだ話

読書としては定番中の定番かもしれない。僕も何年か前に一度読んだことがある気がするが、内容を忘れてしまったので読んでみた。

2匹のネズミと2人の小人が迷路の中にあるチーズを探す物語。ある日、やっとのことで見つけたたくさんのチーズが消えてしまうが、ネズミは単純に、小人は複雑に問題を捉え、それぞれが次の行動を起こしていく。その過程で、変化に対してどのように対応すべきかを教訓とともに学ぶことができる。本の中では、クラス会、ネズミと小人の物語、ディスカッションの3部構成になっている。物語はもちろんのこと、前後の人間の会話の部分も共感できることが多い。

この本から得られることは、「変化を予期して探知せよ」、「変化に適応せよ」、「変化を楽しめ」ということだと思う。僕たちの身の回りは常に変化している。変化のない穏やかな暮らしは魅力的だが、そのような環境というのは存在しない。常に周りの様子に気を配り準備をして、変化へ適用すること、変化を怖がらずに楽しむこと、というのが物語の趣旨だと理解した。

僕はこれまで、変化に対して恐れず向き合ってきただろうかと振り返ってみた。ここ数年は変化のないことなど無く、3年間だけでも転職、引越し、子供の誕生などたくさんの変化があった。さらに最近で言えば、新型コロナウィルスによる生活の変化もとても大きな変化だ。これらに対して、僕は予期も探知もしてこなかったように思う。当然、準備だってしてこなかった。ただ、変化を恐れたり拒絶したりすることは少なかったように思う。うまくやり過ごしてきたような気がする。だからこれからは、変化に乗って新しい楽しみを見つけるようなことができれば良いと思う。新しいスキルを身につけたり、新しい考え方を取り入れたりすることだ。もう一歩進んだ変化への適応ができれば、より楽しくなるのではないか、そういうふうに考えている。

1つ例を言えば転職だ。僕は3年前に転職をした。理由は色々だが、会社が傾き、上司と反りが合わず、やりたい仕事はできず、単身赴任がずっと続いていたのが主な理由だ。そして転職したらどうだったか。会社は低め安定、上司とはやはり合わず、やりたくない仕事が大半で、唯一単身赴任からは解放された。だけど単身赴任から解放されたことで、家族との時間の大切さを認識できたし、体調も崩しにくくなった。そして今、やりたい仕事を増やすために勝手にテーマを立ち上げて、部外の人と仕事を進めている。その価値は当時の上司には理解されなかったようだけど、その上には理解されて徐々に広がっている。今よりも楽しくなる方向へ変化することが判断基準で、そうやって変化に対応していきたい。

本の最後のディスカッションに、変化を起こす側になれたら、ということが書かれていた。なかなかその立場になるのは難しいし、機械も少ないかもしれない。だが、できれば僕もそちら側の人でありたいと思う。