裏紙に書くようなこと

文章を書く練習

さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~ を読んだ話

kindle unlimited 4冊目。
さかなクンの半生が本人の言葉で書かれている本。魚を好きになる前のこと、タコとの出会い、魚を通じて多くの人と知り合ったこと、仕事探しなど、さかなクンが何を考えてどう行動したかがよくわかる内容だった。何よりも、お母さんをはじめとした、さかなクンの周囲の人たちの優しさや接し方が詳しく書かれていて、いかに周囲の人の理解と支援があったかがよくわかった。それはさかなクンの人柄があってこそだとは思うけど、彼1人の才能や努力だけで今の彼があるのではないということや、それを本人がよく理解し感謝している様子が感じ取れた。

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さかなクンは、その知識量や言動をテレビから見る限り、どこにでもいる普通の人とは言い難いと失礼ながら思っている。それは生まれながらの性格と、それをよく理解した親の教育の賜物なのだろうと思っていた。だがこの本を読んでその考え方は少し変わり、さかなクンの特異性は、子供の頃に誰もが持っている好奇心の延長にあるのではないかと考えるようになった。そして、その好奇心を伸ばすか伸ばさないかは、本人が行動するかしないかで変わってくるのではないかと思う。

さかなクンで言えば、彼は中学卒業まで二駅隣の魚屋さんに1人で通っていたし、毎週のように水族館に行っていた。魚を食べるために、捕まえて殺すことも、最初はショックを受けていたけど続けたし、魚料理もするようになった。それらは、彼のお母さんを始めとした家族や周囲の理解と支援があってこそ成り立つことが、この本からはよく読み取れる。子供が感じていることを理解し共感し、一緒になって楽しむ姿勢こそが、子供の好奇心のその先に行ける秘訣なのではないだろうか。そこまで考えなかったとしても、一緒に楽しむことが、子供が行動する原動力になると思う。

このような姿勢を、誰しもができるわけではないだろう。ただ、できる範囲でも良いから寄り添う努力をすることが、子供の可能性を伸ばす方法なのではないかと感じた。この本は彼の半生を通じて育児の姿勢を描く育児本なのかもしれない。さかなクンの魅力の秘密が少しわかったような気がした良書だった。