裏紙に書くようなこと

文章を書く練習

レッテルを都合良く解釈したい話

 もし世の中がもっともっと不倫することに対して寛容だったらどうなるんだろうかと考えたら、もしかしたら「不倫しないやつは草食系」とか言う世の中になっているかもしれない。そんな世の中は結構イヤだなと思った。「お前はゲイなのか?」と間違えられるほどの草食系だった僕は、やっとのことで一児の父になれたのだ。それに加えて、不倫もできないやつ云々と言われる筋合いはない。
 この「草食系男子」に限らず、「イクメン」とかレッテルを貼るのも貼られるのも、日々嫌気がさしていた。だけどイクメンのレッテルについては、僕はすごくありがたい恩恵を受けている。この数ヶ月、初の育児に四苦八苦していた。始めは父親なんだから、イクメンなんて言われたくないと思っていた。だけど育児なんてうまく行かないことの方が多い。平日は仕事、週末は育児という生活をしていると、育児に慣れる時間が圧倒的に足りないので失敗続きだ。さらに、子供は1週間で驚くほど成長するので、先週にやったことが今週は通用しなかったりする。こうしてうまく行かないことだけを積み重ねて四苦八苦するのである。もちろん、毎日24時間子供につきっきりの母親の大変さは別次元だろうが、慣れる時間が足りないというのは父親育児の大変な一面だと思う。
 それでも、週末だけでも育児をしていれば、世の中はひとまずイクメンと呼び褒めてくれる。どんなにうまく行かなくても、参加することに意義があると言うように褒めてくれるのである。褒めてくれればやる気が折れることはまずない。また頑張れる。こうして僕は、「イクメン」と言うレッテルに感謝するようになった。
 「草食系男子」のレッテルも、そう言う仲間で集まる口実になるし、妙な安心感、ぬるま湯に浸かる焦燥感なんかを一緒に感じられる。要は、レッテルを上手にプラスに解釈すれば、それはそれで悪くないと言うことだ。
 これからも色々なレッテルを貼られるのだろう。それに対して、いつでもプラスに解釈できる、広い心と前向きな思考を持ちたいと思った。