裏紙に書くようなこと

文章を書く練習

子供への愛着の話

子供が生まれてからあっという間に1年が経った。最近ではこちらがわかる意思表示をしてくれるようになり、意思疎通の面ではずいぶんと楽になったように思う。その分、あれやれこれやれが増えてきて、体重も体力も増してきたので、対応するのが大変だ。

しかしながら、意思疎通ができるようになるとずいぶんと愛着が湧くようになることにも気付いた*1。新生児のときは泣くことだけが意思表示だ。お腹がすいたやおむつが濡れただけでなく、暇だから泣くということもあるらしい。とは言えこれらの意思は、一応「泣く」という形で表に出てくるからまだわかりやすい。僕が戸惑ったのは「無表情」や「無反応」だ。

こちらがおもちゃを渡したり絵本を読んでも無反応というのは、とても虚しさを感じてしまう。もちろん相手は赤ちゃんだから、期待通りの反応が返ってこないことは頭でわかっている。しかしながら、何度やっても反応が返ってこないと、心が折れてしまう。心が折れるなどというのではなく、単に飽きてしまうと言ったほうが正しいかもしれない。

そうこうしているうちに子供は成長し、ハイハイをして立ち上がり、歩き回るようになった。動き回るということは、同時に意思が出てきたということだと思う。少なくとも我が子は縦横無尽に動き回り、少しづつだけど行きたい方向というのも明確になっていった。

動くということは意思の表現なのかもしれない。見たいものや触りたいものには近づくし、身振り手振りで感情表現もできる。意思が伝わる方法がわかれば、ますます表現するようになる。その連鎖を見ているのかもしれない。相手に伝わることは嬉しいだろうし、こちらも子供の意思を汲み取ることができるのは嬉しい。そういう感情が今の愛着の元になっていると思う。

*1:もともと愛着はあったことをここにことわっておく

世界最高のジャズ を読んだ話

僕は中学の時に吹奏楽部でサックスに出会い、大学ではコンポジャズ、社会人ではビッグバンドジャズをしている。幸い周囲に色んな音源を教えてくれる人がいて、さらに近所のレンタルCD屋さんのジャズコーナーが充実していたおかげもあって、それらを聞くだけで十分だった。そのため、ジャズの批評や雑誌を積極的に読んではこなかった。ところが最近、ファンクに関する本を読んでみて*1、改めてジャズの本を読んでみたいと思うようになり、ジャズ批評の編集長も務められた原田和典さんの本を読んでみた。

ここで掲載されているのはどれも素晴らしい奏者で、僕が繰り返し聴いてきたCDも紹介されている。ただ、僕が聴いたことがあったのは、この本で紹介されているうちの2割くらいだろうか。聴いてみたくなる音源もたくさんあった。奏者の生涯や人間関係も詳しく説明されていて、その音楽の背景を知ることができる。驚きもあるし納得もあり、読んで良かったと思う。

筆者の熱量が凄まじく、時折矛盾したようなことを平気で言っているのも返って魅力的に感じた。

*1:

Amazon ビッグセールで購入したものの話

Amazonブラックフライデーサイバーマンデーのビッグセールで以下のものを買った。必要だと思っているが、やや衝動買いかもしれない。まだどれも手元に届いていないので、レビューではなく購入理由を記録。

Fire HD 8 Plus

ずっと気になっていたAmazonタブレットKindle Unlimitedを使い出してタブレットが欲しかったので購入。8、8Puls、10で迷ったが、メモリ容量で8 Plusにした。できれば楽譜も見られるサイズにしたかったが、Fireタブレットのサイズ感ではどの機種も難しそうだ。それならばと、電子書籍や動画を見るのにちょうど良さそうなサイズ感の8インチを選択。

ワイヤレス充電スタンド

8 Plusを買うならワイヤレス充電があった方が良いだろうというだけ。

Fire HD 8, Fire HD 8 Plus用延長保証・事故保証プラン (2年・落下・水濡れ等の保証付き)

購入レビューに書いてあった「保護フィルムを買うのと変わらない値段」というのが目から鱗だった。

I-O DATA NAS 4TB HDL-TA4/E

NASのリプレイス。今使っているHDL-Tは設定が簡単だったがバックアップが取りにくいので、これを機に購入した。子供の写真や動画が消えたら悲しいし、Google photo も容量制限かかってしまうので。この機種は外付けHDDを接続してバックアップが取れる。

I-O DATA 外付けHDD 4TB EX-HDAZ-UTL4K

NASのバックアップ用とテレビの録画用。

リリー ツナフレーク 油漬 70g×9個

Amazonのセールといったらツナ缶。

いなば ライトツナスーパーノンオイル 70g×24個

Amazonのセールと言ったらツナ缶。こっちは子供用。

Kaenarie メンズ レディース スリッポン

靴に穴が空いてしまったので購入。

親になったの私だけ!? を読んだ話

作者の1人のゆむいさんは「ふよぬけ」こと夫の扶養からぬけだしたい*1で知った方で、この本も気になっていたので読んだ。

主人公はソーシャルワーカーの女性で、保育士でその旦那さんと、育児と仕事について衝突しながらも2人の理想の形に近づいていこうとする内容だ。1人目の子供の時には、産休、育休中も、仕事復帰してからも、ほとんどの家事育児を母親が務め、父親の主体性のない育児の姿勢に不満を重ねる。そこから話し合いを重ねて、2人目の育児をするころには分担が進み、最終的には母親が残業をし、父親が夕食から寝かしつけまでをこなせるまでになっていた。父親が育児に疲れ果てる姿を見せる育児漫画を、この本以外に僕は見たことがない。

この本からは、父親の育児への姿勢はどうしても「お手伝い」のようになりがちで、もっと主体性を持つべきだ、ということが読み取れる。主人公が最後に回想する時の「仕事を忙しくやっていると自分が何かやっている感が満たされ」という言葉にあるように、父親は仕事を一生懸命やっている分、家事育児は母親が主導してほしい、というのが大半の考え方のように思う。仕事を一生懸命するのは育児において大切なことだと僕は思う。お金がないと安心して育児ができないし、病気になったり保育園に預けたり、すぐにサイズが変わる服や靴を買ったりと、育児にはお金を使うことがとても多い。どうしても稼ぎ手が必要だ。

重要なのは、仕事に集中できるのは誰かが家事育児を請け負っているからということに気づくことだ。役割を夫婦で分担できていれば良いけど、共働きの多い今の社会でそこを分担するのは難しい。また、育児だけ、仕事だけ、というのも息が詰まって大変だ。だからこそ、今の自分が仕事に集中しているのは、誰かが家事育児を請け負ってくれているからだと気づきたい。それは逆も同じで、家事育児をしているのは仕事を請け負ってくれる人がいるからだ。そういう、生かされて生きているということに気づけることが重要なような気がする。

*1:

ママは悪くない! 子育ては“科学の知恵"でラクになる を読んだ話

育児本や育児漫画はいくつか読んだけど、今回は少し違う切り口の育児漫画を読んだ。これは育児本というよりも、育児における人間の仕組みを解説した本だと思う。だからこそ、皆1度は読んでも良いのではないかと思う。

育児における子供の行動、母親のイライラ、父親の動きの悪さなどのメカニズムを、科学的な根拠をもとに解説されている。親子や夫婦間で、分かり合えないことの苛立ちや無力感も、メカニズムが分かれば少し捉え方が変わるかもしれない。実際に僕にとっては知らないことだらけで、妙な納得感があった。

育児においては、子供の夜泣き、人見知り、イヤイヤ期などは誰もが通る道で、その程度はその子次第だと思っていた。もちろんそこにメカニズムがあるなどと思っておらず、成長過程の1つ程度に捉えていた。この本を読んでみると、成長過程の1つではあるものの、そこには理由があり、子供が成長しようとしている姿であることを知ることができた。これを知るだけでも、子供を見る目が変わってくると思う。

また人間の育児についても、集団で育児をする「共同養育」が本来のシステムであり、そのシステムへ促すためにホルモンが働いているそうである。ところが今の社会では核家族化が進み、本能は共同養育を求めているにも関わらず、社会がそれを阻害する矛盾が生じている。その結果、特に母親に大きな負荷がかかっているのである。その中で僕ら父親がまずすべきことは、母親の話をよく聞いてあげることだそうである。それにより家族の絆を深めることができる。

この本の内容は2016年の初めにNHKスペシャルで放送されている。今から4年前になるが、今でも十分に新しく、逆に言うとこの内容が4年経っても十分に広まっていないのかもしれない。ただ、今の方が男性の育休や女性の産後うつについて広くニュースになっているように思う。今は過渡期なのだろう。この過渡期に、僕も共同養育へ進むような行動を心がけたい。

チーズはどこへ消えた? を読んだ話

読書としては定番中の定番かもしれない。僕も何年か前に一度読んだことがある気がするが、内容を忘れてしまったので読んでみた。

2匹のネズミと2人の小人が迷路の中にあるチーズを探す物語。ある日、やっとのことで見つけたたくさんのチーズが消えてしまうが、ネズミは単純に、小人は複雑に問題を捉え、それぞれが次の行動を起こしていく。その過程で、変化に対してどのように対応すべきかを教訓とともに学ぶことができる。本の中では、クラス会、ネズミと小人の物語、ディスカッションの3部構成になっている。物語はもちろんのこと、前後の人間の会話の部分も共感できることが多い。

この本から得られることは、「変化を予期して探知せよ」、「変化に適応せよ」、「変化を楽しめ」ということだと思う。僕たちの身の回りは常に変化している。変化のない穏やかな暮らしは魅力的だが、そのような環境というのは存在しない。常に周りの様子に気を配り準備をして、変化へ適用すること、変化を怖がらずに楽しむこと、というのが物語の趣旨だと理解した。

僕はこれまで、変化に対して恐れず向き合ってきただろうかと振り返ってみた。ここ数年は変化のないことなど無く、3年間だけでも転職、引越し、子供の誕生などたくさんの変化があった。さらに最近で言えば、新型コロナウィルスによる生活の変化もとても大きな変化だ。これらに対して、僕は予期も探知もしてこなかったように思う。当然、準備だってしてこなかった。ただ、変化を恐れたり拒絶したりすることは少なかったように思う。うまくやり過ごしてきたような気がする。だからこれからは、変化に乗って新しい楽しみを見つけるようなことができれば良いと思う。新しいスキルを身につけたり、新しい考え方を取り入れたりすることだ。もう一歩進んだ変化への適応ができれば、より楽しくなるのではないか、そういうふうに考えている。

1つ例を言えば転職だ。僕は3年前に転職をした。理由は色々だが、会社が傾き、上司と反りが合わず、やりたい仕事はできず、単身赴任がずっと続いていたのが主な理由だ。そして転職したらどうだったか。会社は低め安定、上司とはやはり合わず、やりたくない仕事が大半で、唯一単身赴任からは解放された。だけど単身赴任から解放されたことで、家族との時間の大切さを認識できたし、体調も崩しにくくなった。そして今、やりたい仕事を増やすために勝手にテーマを立ち上げて、部外の人と仕事を進めている。その価値は当時の上司には理解されなかったようだけど、その上には理解されて徐々に広がっている。今よりも楽しくなる方向へ変化することが判断基準で、そうやって変化に対応していきたい。

本の最後のディスカッションに、変化を起こす側になれたら、ということが書かれていた。なかなかその立場になるのは難しいし、機械も少ないかもしれない。だが、できれば僕もそちら側の人でありたいと思う。

育児ってこんなに笑えるんや! 二太郎誕生編 を読んだ話

1冊目*1から続けて読んだ。相変わらずの面白さで、この本もマスクをして電車で読んだのだけど、笑いが漏れていたように思う。

1冊目との違いはタイトル通り、2人目の子供が生まれて2人分の育児に追われる様子が描かれていることだ。その中でも印象的だったのは、2人目が生まれても、最大限1人目の子を優先してあげる、という点だ。別の本*2で読んだ内容によると、1人目の子は2人目が生まれる前までは一人っ子であり、そのため、親の愛情を独り占めできたが、2人目が生まれた瞬間に親の愛情を奪われたような気がして赤ちゃん返りしてしまう。一方2人目の子は、生まれた時から上の子がいるから愛情が減ったという感覚は無い。だから1人目の子に愛情を注ぐ時間をたっぷりと確保しましょう、とのことであった。この漫画ではその方法が実行されていて、1人目の子の赤ちゃん返りはほとんど無かったようだ。

育児って笑えるんだ、という部分だけでなく、さりげなく子供の接し方を気づかせてくれる、とても良い本だと思う。

*1:1冊目はこちら

*2: